ハイライトだってできちゃう!全盲の視覚障害者のKindle本の読み方

全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’です。
まるで見えているかのようにページを送りながら本を読んでいます。気になるところにはハイライトなんかもしちゃって。調子にのってハイライトしすぎて腱鞘炎になりそうなことが玉に瑕。見えない私の「音で読む」読書の方法を紹介します。

※はじめての方は、つぎのページを先にお読みください。
全盲の視覚障害者の失敗しないKindle本の買い方

▼ 見えない私の読書環境 ▼

  • iPad mini(iPadOS17.3)
  • VoiceOver(iOSのおしゃべり機能)
  • Kindleアプリ(バージョン7.2.1)

書籍をダウンロードする

書籍を購入すると、Kindleアプリの「ライブラリ」に書名が表示されます。Kindle Unlimitedで選んだ本やサンプルも同じように表示されます。

「ライブラリ」に表示されている本の中から読みたい本の書籍名を1本指でダブルタップするとダウンロードが始まります。ダウンロードが終了すると、その書籍の1ページ目が開かれます。

ページをめくる

ページをめくるときは、3本指で左にスワイプします。送ったページを戻したいときは、3本指で右にスワイプです。

書籍の読み上げ

ページ内容の読み上げ方は、一般的なVoiceOverの操作と同じです。2本指で上にスワイプするとページの先頭から読み上げが開始され、下にスワイプするとカーソルのある位置から読み上げが開始します。この場合は、ページごとの操作の必要はありません。どんどん読み上げていってくれます。

3本指で左右にスワイプしながら、まるで見えているかのようにページをめくって読み上げさせることもできます。この場合は、ページごとに読み上げが止まります。私はこの方法で読んでいます。スクリーンカーテンをオンにしているので、真っ黒い画面をなで続けるあやしい人になっています。

難易度高めの読み方5つ

少し複雑ですが、できるようになるとたぶん便利です。

章や節の頭出しをしたいとき

章や節の頭出しをしたいときがあります。いろいろな方法が思いつきますが、ここでは書籍のメニューにある「目次」から章や節を選ぶ方法を紹介します。

まずは、書籍のメニューを開く方法です。
開いている書籍の画面の中央を1本指でダブルタップすると「本を閉じる」とアナウンスがあると思います。これがその書籍のメニュー画面です。メニュー項目は以下のとおりです。

▼ 書籍のメニュー項目 ▼

  • メニュー、「終了」
  • 本を閉じる
  • 目次
  • ブック内検索
  • 注釈
  • 読書の設定
  • その他のオプション
  • ブックマークの追加

このメニュー項目の中から「目次」を1本指でダブルタップすると書籍の目次が開きます。目次を1本指のスワイプで追い、頭出しをしたい章や節が見つかったらダブルタップします。再びメニュー画面に戻ると思うので、一番最初のメニュー、「終了」をダブルタップすると、先ほど選んだ章や節のページが開きます。

書籍内の画像からテキストを検出したいとき

「Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能)」が有効となっている書籍を選んでも、書籍の中には図表が含まれることがあります。その場合、「画像」と読み上げられると思います。

なんの図表だろう、ちょっとでもいいから情報がほしいよというときは、その画像からテキストを検出してみるといいです。以下はその方法です。

テキストを検出したい画像のページのスクリーンショットを撮ります。「スクリーンショット」とアナウンスがあるので、1本指でダブルタップするとメニューが表示されます。その中から「テキストを検出」を選んでダブルタップします。

画像にテキストが含まれていればそのテキストが検出されます。図表中の文字であると予想されます。文脈や表示順が意図どおりに検出されるとは限りませんが、何の図表であるかのヒントにはなると思います。

ページに「しおり」をつけたいとき

ページに「しおり」をつけることもできます。
「目次」を開くときと同様に、書籍のメニューから操作します。メニュー項目の「ブックマークの追加」が「しおり」に当たります。

しおりをつけたいページを開いた状態で画面の中央を1本指でダブルタップします。メニューが開いたら「ブックマークの追加」を選んでダブルタップすると「ブックマークが追加されました」とアナウンスがあります。これでしおりがつきました。

書籍内の文字列に「ハイライト」をしたいとき

大切なところにマーカーを引くことができます。しかも4色!個人的には、この機能が音で操作できるようになったことは革命だと思っています。

全盲の視覚障害者が本にマーカーを引けるなんて本当にすごい。初めてできたときはうれしくて一晩中泣きました。

さて、その方法です。

画面上を1本指で触れながら、マーカーを引きたい文字列を探します。見つかったら1本指でダブルタップの長押しをします。すると「オレンジのハイライト」とアナウンスがあると思います。これが「ハイライト」などをするときのメニュー画面です。

ここで、マーカーを引きたい範囲を選択していきます。まず、画面の下方で4本指のタップをします。すると「セレクションの右端へ」と聞こえます。この状態で、1本指で上にスワイプすると選択範囲が文末から少しずつ広がっていきます。狭めたいときは下にスワイプしてください。

文末が正しく選択できたら、もう一度画面の下方で4本指のタップをします。先ほどと同様に「セレクションの右端へ」と聞こえますので1本指で左にスワイプすると、今度は「セレクションの左端へ」と聞こえると思います。この状態で、1本指で上にスワイプすると選択範囲が文頭から少しずつ広がっていきます。狭めたいときは下にスワイプしてください。

マーカーを引きたい範囲が選択できたら、画面の上方で4本指のタップをします。「ピンクのハイライト」と聞こえたら、1本指のスワイプでマーカーの色を選んでダブルタップします。色はピンク、青、イエロー、オレンジの4色から選べます。

しおりやハイライトの箇所を確認したいとき

ブックマークした「しおり」や「ハイライト」した箇所は、書籍のメニュー項目にある「注釈」からまとめて閲覧することができます。また、ブックマークやハイライトを削除したいときも、この「注釈」の画面でおこなうと非常にやりやすいと感じています。

ブックマークやハイライトの削除は、「注釈」の画面で、そのページや文字列に読み上げ上のカーソルを当てた状態でおこないます。1本指で上下にスワイプし、「削除」と聞こえたところでダブルタップすると、その箇所のブックマークやハイライトが消えます。

おわりに

全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’のKindle本の読み方でした。

「思考」と「作業」はいっぺんにしにくいものです。見えない私は、作業を音でするせいか作業中はかなり思考を乱されます。ハイライトしたい箇所を選択しているときは、完全に作業モードになっています。

しかし、「注釈」の画面で、ハイライト箇所を読み返して内容を整理しながらいらないところを削除する作業は、あまり思考を乱されません。ここのところでも、まるで見えているかのようにふるまっています。

▼ まとめ ▼

  • ページをめくる→3本指で左右にスワイプ
  • 章や節の頭出し→画面の中央を1本指でダブルタップ→「目次」へ
  • 文字列の選択→1本指でダブルタップ長押し
  • しおりをつける→画面の中央を1本指でダブルタップ→「ブックマークの追加」へ
  • ハイライト箇所の確認→画面の中央を1本指でダブルタップ→「注釈」へ

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おわりっ!