見えない私は、KindleとAudibleと雑誌の電子版で読書をしています。読める本はたくさんあるのだけど、何を読むかは見える人と同様に悩みの種です。本屋さんをぶらぶらできたらどんなにいいだろうといつも思います。
本屋さんで平積みやポップを見ることができない私は、インターネットの中にそれっぽい環境をつくっています。ここではその様子と本選びの実際を紹介します。
目次
全盲の私の選書のしかた
たまーに見える夫と本屋さんに平積みの様子を偵察しに行くことはありますが……。ほとんどはオンラインで得られる情報をもとに選書しています。次に示す3つの方法で本を選ぶことが多いです。
- Amazon.co.jpの商品をしぼって選ぶ
- Audibleの新着メルマガから選ぶ
- 版元ドットコムのメルマガから選ぶ
Amazon.co.jpの商品をしぼって選ぶ
見えない私が読める本は音声化できるものに限ります。冒頭でお話したとおり、私の場合はKindleとAudibleがそのすべてですので、自然とAmazon.co.jpにお世話になっています。
Amazon.co.jpでの選書は月並みなものです。ふつうに商品としての本をジャンルと公開日でしぼって探しています。
気をつけていることがあるとすれば、なるべく多くの本を偏りなくチェックすることです。音声化の有無にかかわらず、発刊された本のすべてを満遍なく眺めるようにしています。
その結果、読みたいと思っても見えない私には読めない本も発見されますがそれでもいいのです。読める本の中から読みたい本を探すのではなくて、本全体の中から読みたい本を探してトライする、そういう選書の姿勢を続けています。
Audibleの新着メルマガから選ぶ
Audibleは、紙の本やKindleに比べると発刊数が少なく、そのスピードも緩やかです。そのため、AudibleのメルマガやXのポストを読んでいると新刊を見逃しにくくなります。
誰が書いたか、何を書いたかに加えて、誰が朗読しているかの情報があるところがAudibleならではです。ときどきナレーターのインタビューも聞けます。
有名作家のオーディオファースト作品に出会う機会も多くあります。そういうタイミングに居合わせていることも素敵だなと感じています。
版元ドットコムのメルマガから選ぶ
版元ドットコムが「書評・紹介情報」というメルマガを発行しています。このメルマガには、その週に新聞や雑誌に紹介された書籍情報がまとめられています。
これを読んで気になる本を選ぼうというだけのことですが、私はこのメルマガからの選書が一番気に入っているのでその方法を記しておきます。
日曜日に届いた掲載版のメルマガを月曜日に開く
日曜日に掲載版のメルマガが、月曜日に掲載予定版のメルマガが届きます。私は日曜日に届く掲載版を使って選書をしています。
月曜日の朝、一週間でもっとも頭がすっきりした状態で日曜日に届いたメルマガを開きます。新しい週のはじまりに新しい本との出会いはたまらなくうれしいものです。
気になる本のURLをブックマークする
上から順に書籍タイトルを読んでいって、気になる本があったら併記してあるURLを開きます。
開くページは版元ドットコムの書籍情報のページです。このページの「紹介」という見出しの部分を読んで、今、または今後自分が読むべき本かどうかの判断をします。
読むべき本だと感じたらそのページをPCブラウザにブックマークしていきます。この作業をメルマガ一本分繰り返します。
選んだ本を購入するまで
見えない私の本選びの方法を3つ紹介してきました。ここで今、または今後自分が読むべき本と感じた本を入手します。
Amazon.co.jpで読める本かを確かめる
選んだ本をAmazon.co.jpで開きます。(版元ドットコムから選んだ本はAmazon.co.jpで検索し直します。)
書籍ページが開いたら、「すべての形式と版を表示」をクリックして、Kindle、またはAudibleが発刊されているかを確かめます。
それぞれの版のページに移り、Kindleが発刊されていた場合は「Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能)」が有効であるかどうかを確かめたうえでサンプルをダウンロードします。Audibleが発刊されていた場合は「ライブラリ」に追加します。
Kindleのサンプル、またはAudibleを読む
ここからはKindleアプリ、またはAudibleアプリに移ります。
Kindleのサンプルを読んで読みたいと感じたら「ほしい物リスト」に追加して購入します。Audibleの場合は会員プランに含まれることが多いのでそのまま読み進めます。
どちらの版も存在するときはハイライトする必要の有無で決めます。ハイライトしたいときはKindleを、そうでないときはAudibleを選んでいます。
おわりに
全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’の本の選び方でした。
音声化の事情で読みたい本のすべてが読めるわけではないけれど、それでも相当数の本がみんなと同じタイミングで読めるようになったことは喜ばしい。
見えなくなったとき、あのまま死ななくて本当によかった。こんなに恵まれた未来がやってくることを、過去の私に伝えてあげたい気分です。
おわりっ!