視覚障害者の服選びは実に難しいと思います。けれども、難しいなりに整えた全盲のクローゼットは、見える人にも使いやすいらしいのです。そんなことがわかってから、見えない自分のクローゼットがちょっぴり好きになりました。
服選びと収納方法を行ったり来たりするうちに、いつの間にかピタッと整ってくれたクローゼット。服選びと収納方法のどちらが先にピタッときたのかは謎なんだけど、とりあえず私の服選びの完成形は次の記事にまとめました。
↓ 普段着のすべて
年間ワードローブ!全盲女性の「識別できる」普段着のすべてです
↓ おしゃれ着のすべて
真夏から真冬までまかなえる10着!全盲女性のおしゃれ着のリストとコーディネート
これらの洋服と下着や靴下、ファッション小物のすべてを、見えなくても「識別できる」ように収納していきます。すると、どうやら見える夫にとっても「使いやすい」クローゼットになるらしいのです。
それでは、私(女性)のクローゼットを例に、収納方法を具体的に見ていきます。そのあとに、見えない私の洋服の選び方もざっくりとですがまとめてみます。
※このページにはプロモーションが含まれています。
目次
見えない私の衣類の収納方法
どんな収納スペースにも応用できるように、収納方法ごとに紹介します。我が家は、ウォークインクローゼットを次の3つの収納方法を使って管理しています。
- かけて収納する
- たたんで収納する
- 分けて収納する
かけて収納する
かけるべき洋服はかけて収納します。私は、100センチくらいの幅のポールに次のような洋服をかけています。
- ブラウスやシャツなどアイロンを必要とするもの
- しわにしたくないトップス
- センタープレスのパンツ
- スカート
- ジャケットやスーツ
- アウター
なんとなく右、なんとなく左というように、ポールにゆったりとかけることができると識別しやすくなります。どうしても識別しにくいときは、ハンガーの首にストラップをつけて印にしています。
たたんで収納する
かけるべき洋服をかけて残ったものはぜんぶたたみます。私は、引き出し型の衣装ケース4つを次のように使っています。
- 普段着のトップス
- おしゃれ着と季節外のトップス
- ボトムス
- ルームウエアとパジャマ
引き出し内は「田の字」をイメージして収納しています。手前はカットソー、奥はセーター、左は濃い色、右は淡い色などという具合です。このように自身のルールをつくっておくと、多種多様、色違いの洋服であっても識別できるようになります。
分けて収納する
細かい衣類は分けて収納します。私は、引き出し付きの4段のシェルフを次のように使っています。
- アクセサリー
- 下着
- 靴下とハンカチ
- 冬小物とトラベルグッズ
下着はブラジャー・ショーツ・ランジェリー、靴下は濃い色・淡い色というように、引き出し内の仕切ケースを使って細かく分類しています。こうしておくと、収納と着用のどちらの場合にもわかりやすく、色違いの靴下の管理にも役立ちます。
↓ 愛用の帆布バスケットセットのシェルフ♪組み立てが必要なので気をつけて!
↓ 引き出しにはこんな感じの仕切ケースを入れているよ♪
- 高さが変えられる不織布仕切ケース・大(幅22.5×奥行32.5×高さ21cm)
- 高さが変えられる不織布仕切ケース・中(幅15×奥行32.5×高さ21cm)
- 高さが変えられる不織布仕切ケース・小(幅11×奥行32.5×高さ21cm)
見えない私の洋服の選び方
服選びにはいろいろな観点があって人それぞれだと思うけれど、見えなくなってまあまあ悩んだところでもあるので、私の超個人的見解をまとめておきます。
ざっくり言うと次の3つです。
- 早めに買い替える
- 普段着とおしゃれ着は分ける
- メーカーやブランドをしぼる
早めに買い替える
洋服は早めに買い替えるようにしています。なぜなら、見えないと汚れやほつれ、色あせに気づきにくいから。そんなことで他者からの評価が下がらないように気をつけています。
あとは単純に「ダサさ」の回避。いま売られているものをいま着ていればとりあえずセーフだろうという安易な考えからです。
普段着とおしゃれ着は分ける
家で家事や仕事をするときと、外にお出かけするときの服装は分けています。家ではゆったりのんびりしたものを、外ではカチッとかしこまったものを着るようにしています。
このようにしておくと手入れが楽です。おしゃれ着のほうだけ丁寧に扱えばいいから。普段着の洗濯にはそれほど気を遣わなくてよくなります。結果、いつもきれいなおしゃれ着がスタンバっている状態になり、引きこもりがちな私も少しは外に出かける気になるというものです。
メーカーやブランドをしぼる
私は、普段着はこのメーカーで、おしゃれ着はこのブランドでというように、洋服のメーカーやブランドをある程度しぼって選んでいます。そうでないと、服選びに膨大な時間がかかってしまうからです。
しぼったメーカーやブランドを定点観測していると、サイズ感やデザイン思想のようなものがわかってきます。たとえば、無印良品はXSサイズがぴったりだけどユニクロはSサイズのほうが合うなとか、グローバルワークは毎シーズン同じシルエットのパンツを素材違いで販売するのだななどなど。
それらがわかれば、シーズンごとに新作をチェックして必要な分を買い替えるだけ。普段着はオンラインショッピングで、おしゃれ着は春夏・秋冬の年に2回くらいの店舗訪問で済むようになります。ああめでたい!
おわりに
全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’の衣類の収納方法と洋服の選び方でした。
私(女性)の場合で書いてみたけれど、見える夫の衣類も同じように管理しています。違いがあるとすれば、私が色違いを収納場所で分けるのに対して、夫はカジュアルとドレスで分けていること。自分のものは色の識別が重要だけど、見えない私が見える夫の衣類を管理するとなると色よりもカジュアル度が重要です。そもそも、夫が今日履いた靴下の色なんかいちいちわかりませんものね。あはは!
おわりっ!