【旅行資料】平安時代の仏像1~仏師定朝より前~

全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’です。
見える夫と仏像をめぐる旅がしたくて、見えないなりに学んだ平安時代の仏像をまとめています。こちらのページには、仏師定朝が登場する前につくられた仏像をまとめました。この学びをもとに旅行をしています。

平安時代の前半につくられた仏像は、重量感や衣文の彫り方、お顔の形が特徴のようです。ここに注目することで製作年代がわかるらしいので、ここでもその特徴をもとに年代別にまとめることにしました。

平安最初期の仏像

呪詛や怨霊を払いのけるために迫力満点の仏像です。

神護寺・薬師如来像

重量感と鋭く深く彫った複雑な衣文に注目!

所蔵
神護寺 金堂
年代
793年前後
特徴
木造・檜一材
素地のままか薄く彩色
像高170.6センチ
国宝

新薬師寺・薬師如来坐像

重量感と中国美術の新たな影響に注目!

所蔵
新薬師寺 本堂
年代
奈良時代後期から平安時代初期
特徴
木造・榧材の一木造り
彩色像
像高191.5センチ
像内に平安初頭の『法華経』八巻が納入
国宝

840年代の仏像

840年代の仏像は引き締まった顎が特徴です。神護寺の五大虚空蔵菩薩像を基本に、観心寺、広隆寺、法華寺の仏像との類似を感じたいわけなのです。

神護寺・五大虚空蔵菩薩像

2024年の夏は東京国立博物館の神護寺展に来ているわよ~♪

所蔵
神護寺 多宝塔
年代
840~842年?
特徴
木造・一木造
表面は乾漆
彩色:中尊の法界虚空蔵が白色、東方尊金剛虚空蔵は黄色、南方尊宝光虚空蔵は緑色、西方尊蓮華虚空蔵は赤色、北方尊業用虚空蔵は黒色
像高90センチメートルあまり
国宝

観心寺・如意輪観音菩薩

毎年4月17日と18日の御開帳日にしかお会いできないらしい……

所蔵
観心寺 金堂
年代
834~848年?
特徴
榧の一木造
彩色の六臂像
像高109.4センチ
木製透彫の宝冠
如意宝珠を持つ
国宝

広隆寺・阿弥陀如来坐像

講堂修理中につき今はお会いできないみたい……

所蔵
広隆寺 講堂
年代
840年?
特徴
ヒノキの一木造
像表面には厚く木屎漆を盛り上げて整形
像高261.5センチ
国宝

法華寺・十一面観音菩薩立像

「春と秋に期日を限って特別開扉」とのことです♪

所蔵
法華寺
年代
不明
特徴
榧材の一木造
像高100センチ
親指の先を軽く跳ね上げている
国宝

9世紀後半の仏像

9世紀の半ばを過ぎるとお顔の形が下膨れになってくるのだそうです。

安祥寺・五智如来坐像

五躰一具が揃って伝わる最古の五智如来像♪

所蔵
京都国立博物館に寄託
年代
851年~854年ごろ
特徴
木造・漆箔
大日如来の像高は158.6センチ・そのほか107センチ前後
令和元年に国宝指定
類似
広隆寺講堂の阿弥陀如来坐像左脇侍の地蔵菩薩像

9世紀終わりから10世紀初頭の仏像

9世紀終わりから10世紀の頭にかけての仏像のお顔は、面長になってきます。そして、平安初期の重量感を残しながら表面の装飾性が出てくるのだそうです。

室生寺・釈迦如来立像

衣文に沿っての切金と板光背の描写と注目するところ多数♪

所蔵
室生寺 金堂
年代
平安前期
特徴
榧の一木像
像高234.8センチ
古式の薬師如来
漣波式の衣文に切金
繧繝彩色の板光背
国宝

慈尊院・弥勒仏坐像

「二十一年に一度のみ開帳されます」とのこと……

所蔵
慈尊院 弥勒堂
年代
891年?
特徴
桧の一木づくり
像高89.1センチ
円光背・八重蓮華座が完備
截金線・繧繝を混じえた彩色
国宝

清凉寺・阿弥陀三尊像

春と秋にお会いできます♪

所蔵
清凉寺 霊宝館
年代
896年?
特徴
ヒノキの一木造り
乾漆併用
像高 中尊178.2センチ・両脇侍167センチ前後
重要文化財

醍醐寺・薬師三尊像

醍醐寺には仏さまがたくさんいらっしゃるので間違えずにお会いできるか心配!

所蔵
醍醐寺 霊宝館
年代
913年
特徴
一木造り・漆箔
像高 中尊(坐像)176センチ・両脇侍(立像)120センチ
光背とそれに付された六躯の薬師仏も当初のもの
国宝

参考文献

おわりに

全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’が、見えないなりに学んだ平安時代の仏像(仏師定朝よりも前)のまとめでした。

脳内は知識でいっぱいなのですが、実際お会いしようとなると特別公開を待たねばならない仏像もいくつかあるようです。そこに博物館への出展などを考慮すると旅程を組むのはかなりの難題。できるだけつくられた順にお会いしたいんだけどなあ。

おわりっ!