【旅行資料】白鳳文化の仏像

全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’です。
見える夫と仏像をめぐる旅がしたくて、見えないなりに学んだ白鳳文化の仏像をまとめています。この学びをもとに旅行をしています。

白鳳文化の始まりに一息ついたところだったのですが、白鳳文化に入ると再び白鳳説と天平説という論争に突き当たってしまいました。でも私はただのトラベラーですから、論争の中心となる仏像は避けて、白鳳文化の特徴がわかる仏像をまとめました。

▼ 登場する仏像 ▼

  • 興福寺・銅造仏頭(旧東金堂本尊)
  • 中宮寺・菩薩半跏像(伝如意輪観音)
  • 法輪寺・薬師如来坐像
  • 法輪寺・虚空蔵菩薩立像
  • 法隆寺・六観音
  • 金龍寺・菩薩立像
  • 法隆寺金堂・天蓋(中の間・西の間)天人像
  • 法隆寺・観音菩薩立像(旧金堂薬師如来像脇侍)
  • 法隆寺献納宝物・観音菩薩立像(176号)
  • 鶴林寺・観音菩薩立像
  • 深大寺・釈迦如来居像
  • 法隆寺・阿弥陀三尊像(橘夫人念持仏)
  • 法隆寺・観音菩薩像(夢違観音)

白鳳彫刻の典型

造像年がはっきりしていること、白鳳文化の真ん中くらいの時期につくられたことから、白鳳彫刻の基準像とされているのが興福寺の仏頭です。頭だけになってしまった仏様なのですが、その精悍なお顔は白鳳文化らしい表情をされているのだそう。

興福寺・銅造仏頭(旧東金堂本尊)

若々しく清々しい面立ち♪

所蔵
興福寺 国宝館
造像年
685年
特徴
銅造・鍍金
総高98.3センチ
685年:山田寺本尊
1187年:興福寺東金堂本尊
1411年:堂とともに被災し頭部のみになる
国宝
類似
当麻寺金堂本尊の塑像弥勒仏像
成案の陝西省博物館の隋代の石造弥勒菩薩像

白鳳彫刻の完成

中宮寺の菩薩半跏像は、その自然な姿とおだやかな表情が、飛鳥・白鳳文化の木彫仏の中でもっとも成熟したものなのだそう。興福寺の仏頭が白鳳彫刻の基準ならば、中宮寺の菩薩半跏像はゴールなのかなあと想像しています。

中宮寺・菩薩半跏像(伝如意輪観音)

しなやかな姿勢とやわらかいほほえみ♪

所蔵
中宮寺
特徴
樟の木彫&全面黒漆塗り
像の高さ132センチ
「世界三大微笑像」(スフィンクス・モナリザ)
国宝

白鳳文化の木彫仏

飛鳥文化の仏像には顕著だった止利様式の特徴が消えてくる木彫仏として、法輪寺の仏像2体です。もう笑っていません。そして、着衣の左右相称性も崩れています。これらの仏像から童顔童形の仏像に流れていくのだそう。引き結んだ唇を想像すると童顔につながらないけれど、ちょっとずんぐりとした体格を想像すると童形にはつながっていくかなあ。

法輪寺・薬師如来坐像

引き結んだ唇ということはちょっと怖い感じ?

所蔵
法輪寺
特徴
樟の一木造・彩色
像の高さ110.6センチ
重要文化財

法輪寺・虚空蔵菩薩立像

ちょっとずんぐり♪

所蔵
法輪寺
特徴
樟の一木造・彩色
像の高さ175.4センチ
重要文化財

童顔童形の仏像

白鳳時代の仏像には童顔童形の仏像があらわれるのだそうで、かわいらしいもの好きの私はぜひ見てみたかったわあ。ちょっとキャラっぽいのかしら。木彫仏も金銅仏もあるようです。

法隆寺・六観音

童顔童形にはちょうどいい大きさ♪

所蔵
法隆寺 大宝蔵院
特徴
樟の一木造・漆箔仕上げ
像の高さ80センチ前後
新羅の石仏や北周から隋の仏像に源流
重要文化財

金龍寺・菩薩立像

どこにいるのかな?奈良国立博物館に行けば会えるのかな?

所蔵
金龍寺(奈良国立博物館に寄託?)
特徴
木造
重要文化財

法隆寺金堂・天蓋(中の間・西の間)天人像

実際はとっても見にくい!大宝蔵院でレプリカをどうぞ♪

所蔵
法隆寺 金堂
特徴
木彫
天蓋は国宝

法隆寺・観音菩薩立像(旧金堂薬師如来像脇侍)

伝日光菩薩・月光菩薩像のことね!

所蔵
法隆寺 大宝蔵院
特徴
金銅仏
像の高さ54.1センチ(伝日光菩薩)/54.5センチ(伝月光菩薩)
重要文化財

法隆寺献納宝物・観音菩薩立像(176号)

東京国立博物館でお会いできますよ♪
※2023年4月25日から2024年4月21日まで東博「法隆寺宝物館」第2室にて

所蔵
東京国立博物館
特徴
銅製鍍金
像の高さ29.3センチ
台座の子弁が平ら
重要文化財
同種
法隆寺献納宝物中の観音菩薩立像(179号)など

白鳳文化の金銅仏

このころの日本の仏像づくりは、挑戦経由の隋代までの技法が長く続いたようです。この先は国際情勢や遣唐使による文化の流入でまた雰囲気が変わるみたい。日本においては日本の仏像らしく成熟していくところかな。そんな仏像をご覧あれ。

鶴林寺・観音菩薩立像

お寺が言うところの「聖観音像」でいいのかな?

所蔵
鶴林寺
特徴
金銅仏
像の高さ83センチ
重要文化財

深大寺・釈迦如来居像

めずらしく関東地方にある仏像!

所蔵
深大寺
特徴
銅造
高さ83.9センチ
国宝

法隆寺・阿弥陀三尊像(橘夫人念持仏)

橘夫人とは、藤原不比等の夫人で光明皇后の母です♪

所蔵
法隆寺 大宝蔵院
特徴
金銅仏
中尊の高さ34.0センチ・厨子の高さ263.2センチ
新羅経由の隋代の仏像の影響
国宝

法隆寺・観音菩薩像(夢違観音)

「溌剌とした少年のような像」らしいけど童顔が消えるという話も……

所蔵
法隆寺 大宝蔵院
特徴
銅造
像の高さ86.9センチ
中国初唐の影響
白鳳時代末の作品
国宝

参考文献

おわりに

全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’が、見えないなりに学んだ白鳳文化の仏像のまとめでした。

この記事の執筆は、旅もブログの執筆もやめてしまおうかと思うくらい大変でした。仏像の名前は似ているし、どこで会えるのかがわからないし、見えない私は見える夫に診てもらわなければならないから見た目の特徴(大きさとかポーズとか)が知りたいのだけれどわからないし……。

そんなわけで、不十分な学習のまま、行けばわかるという希望的観測のもと法隆寺と東京国立博物館に出かけましたがまったくわかりませんでした。やっぱりちゃんと調べていかないといけないんだわと反省してまとめたのがこのページの内容です。

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