全盲が音声でWordPressの投稿ページを作成する方法

全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’です。WordPressでこのブログサイトをつくっています。

この記事では、全盲の私がNetReader Neoという音声ブラウザを使って、WordPressの投稿ページをつくる手順を紹介します。やり方はいくつもあります。つくりたいページの構成もさまざまでしょう。ここでは、テキストベースのページを、できるだけ早く間違いなくつくるための方法を書いてみようと思います。

▼ 操作環境 ▼
音声でコンピュータを操作しています!

  • スクリーンリーダー:PC-Talker Neo
  • 音声ブラウザ(インターネットの読み上げ):NetReader Neo
  • WordPress:バージョン6.3

▼ 作成ページの構成要素 ▼

  1. タイトル
  2. 段落
  3. 見出し
  4. リスト
  5. リンク

テキストエディタに下書きをする

私は、テキストエディタに書いた文章をコピペしながらWordPressの投稿ページをつくっています。全盲の視覚障害者の私が音声で投稿ページを作成するのは一大作業です。ページ内容の作文と投稿ページの作成をいっぺんにおこなうと、思考が乱れますし、作業量も多くなってしまいます。

まずは、テキストエディタにつくりたいページ内容を作文します。使っているエディタはMyEditです。これは、PC-Talker Neoというスクリーンリーダーに付属している音声エディタで、PC-Talkerといっしょに使うと大変サクサクと動きます。ここで作文とともに誤字脱字のチェックまでしっかりしておきます。

タイトルを入力する

ここからはWordPressに移り、実際の投稿ページを作成していきます。テキストエディタの下書きからタイトルの文字列をコピーして、WordPressの「新規投稿」のタイトル欄にペーストします。

まず、テキストエディタにあるタイトルの文字列をコピーしておきます。次に、WordPressのダッシュボードから、「メニュー」→「投稿」→「新規追加」と進んでいきます。「新規追加」をクリックすると「タイトルを追加」とアナウンスがありますので、そのまま何もさわらずに「Ctrl + V」でコピーしておいたタイトルの文字列をペーストします。

段落を挿入する

ここからはタイトル以下に展開する本文をつくっていきます。ここでは段落の挿入をしてみます。

テキストエディタの下書きから段落一つ分をコピーしておきます。新規投稿の編集ページの先頭に「Ctrl + Home」で戻り、「H」で「新規投稿を追加」の見出しに飛び、そのすぐ下の「ブロック挿入ツールを切り替え」をクリックします。するとブロックの一覧があらわれますので「段落」を選びます。「段落」をクリックすると「空のブロックです」というアナウンスがありますので、そのまま何もさわらずに「Ctrl + V」でコピーしておいた文章をペーストします。

見出しを設定する

見出しを設定するときも段落の挿入と同じ手順でできます。ここでは見出しのレベルの変更までを説明します。

テキストエディタの下書きから見出しの文字列をコピーしておきます。新規投稿の編集ページの先頭に「Ctrl + Home」で戻り、「H」で「新規投稿を追加」の見出しに飛び、そのすぐ下の「ブロック挿入ツールを切り替え」をクリックします。するとブロックの一覧があらわれますので「見出し」を選びます。「見出し」をクリックすると「ブロック: 見出しの複数行文字入力」というアナウンスがありますので、そのまま何もさわらずに「Ctrl + V」でコピーしておいた見出しの文字列をペーストします。

通常は見出しのレベルは2に設定されています。このレベルを変更するときは、新規投稿の編集ページの先頭に「Ctrl + Home」で戻り、「H」で「新規投稿を追加」の見出しに飛び、そこから「↓」キーで「レベルを変更」というメニューを探します。「レベルの変更」と聞こえたら「Ctrl + Insert」でNetReader Neoをスクリーンリーダーモード(chromiumモード)にします。「↓」キーでレベルの選択ができるようになりますので、変更したいレベルを選んで「Space」または「Enter」キーを押すと「折りたたみ」というアナウンスがあります。これでレベルの変更はできていますが、心配なときはもう一度変更のための作業を繰り返して選んだレベルにチェックマークが入っていることを確認してください。

リストを挿入する

リストの挿入は難しいです。慎重にいきましょう。

リストは「ブロック」と「項目」の別を理解する必要があります。リストの「項目」は箇条書きの一つ一つのこと、「ブロック」は一連の項目をまとめたものです。音声で投稿ページを作成しているときにリストを挿入し、リストのブロック周辺でカーソルを動かすと「項目」にフォーカスしてしまいます。これを「ブロック」に戻すことはできますがかなりややこしい。そして、「ブロック」に戻せないと次のブロックの作成ができなくなりますので慎重にいきたいのです。以下にややこしくしないための方法を説明します。

まず、テキストエディタ(MyEdit)の下書きにリストを書いておきます。項目は改行で区切ります。その一連のリスト(WordPressで言うところのリストブロック)をいっぺんにコピーしておきます。WordPressの新規投稿の編集ページの先頭に「Ctrl + Home」で戻り、「H」で「新規投稿を追加」の見出しに飛び、そのすぐ下の「ブロック挿入ツールを切り替え」をクリックします。するとブロックの一覧があらわれます。

ここで「リスト」を選びたいところなのですが、そうしてしまうと先に説明したリストの「項目」のほうにカーソルが移ってしまい具合がよくないので、ひとまず「段落」を選んでください。「段落」をクリックすると「空のブロックです」というアナウンスがありますので、そのまま何もさわらずに「Ctrl + V」でコピーしておいた一連のリストをペーストします。

このままですと「段落」のままですので、これをリストに変更します。

「段落」を「リスト」に変更するときは、新規投稿の編集ページの先頭に「Ctrl + Home」で戻り、「H」で「新規投稿を追加」の見出しに飛び、そこから「↓」キーで「段落のプッシュボタン 段落:ブロックタイプまたはスタイルを変更」というメニューを探します。ここをクリックするとブロックの一覧があらわれますので「↓」キーで「リスト」を探してクリックします。

通常のリストは順序なしリスト(箇条書きリスト)になっています。もしも順序付きリスト(番号付きリスト)に変換したいときには、新規投稿の編集ページの先頭に「Ctrl + Home」で戻り、「H」で「新規投稿を追加」の見出しに飛び、そこから「↓」キーで「順序付きリスト 番号付きリストに変換」というメニューを探します。「Space」または「Enter」キーでチェックマークをつけると、リスト項目に数字がつくようになります。

文字列にリンクを設定する

ここまで、「タイトル」「段落」「見出し」「リスト」と、入力した内容を探らずに、上から下にひたすら順番にそれぞれのブロックを挿入してきました。これは、現在どのブロックにカーソルがあるかを音声で知ることが困難だからです。余計な動きをしなければカーソルは直近に挿入したブロックにありますので、自然と正しい順番でブロックを追加することができるというわけです。

ここでは任意の文字列にリンクを設定する方法を説明します。リンクの設定は、リンクを設定したい文字列が含まれる段落を挿入したタイミングでおこないます。なぜならば、カーソルがそのブロックにあることが明らかだからです。もう一度「段落」の挿入の方法を確かめてください。段落ブロックを挿入し、文章をペーストしたところまでできたものとして説明をつづけます。

▽ リンクの設定方法 ▽
2024年2月1日に詳しく書きました!

おわりに

全盲の視覚障害者‘ぶちゃこま’のWordPressの投稿ページをつくる方法でした。

上から下に順番にブロックを追加していくこと、個別のブロックを編集するときには一気にページの先頭に戻ってから下に向かってメニューを探すこと、つまり編集しているページ内で螺旋を描くように一方通行で編集することが大切です。「Shift + Tab」や「↑」キーで読み上げ上、上に存在するメニュー群にアクセスしようとすると、編集中のブロックにあるカーソルが別のブロックや項目に移動してしまい、想定しているブロックへの編集がなされないことがあります。

もっとうまい方法や簡単に思うことの個人差なんかがあって、必ずしもこれが正解とは言いきれませんが、2019念の秋ごろからWordPressをさわり始めて一番ストレスが少ないのがこの方法なので紹介してみました。

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おわりっ!